事業承継に必要なものは男の花道

演歌のタイトルではありません。
花道とは、役者が「花」を飾って(=美しく着飾って)出てくる道です。
「男の花道」という時、それは、その方が成し遂げた成果が「見える化」され周囲から称えられながら、第一線を去ってゆくことに例えられます。

少し前の数字ですが、2025年平均年齢引退年齢である70歳に達する経営者は245万人、そのうち後継者が決まっていないのが127万人と言われています。
中小企業庁を始めとした公的支援機関の取り組みや、金融機関の取り組み、M&Aを専門に取り扱う企業の活躍で、経営者の交代は一定程度進んできたように思います。

高度経済成長の一部を担った、創業社長が会長職になり、40代、働き盛りのご子息か社長に就かれて活躍されている企業様に訪問させて頂ける機会も増えました。
それでもなお、形としての経営者交代は完了していても、実質の経営者交代は未完了のままと感じるケースも多いです。
日本の平均寿命が延び、単純に年齢が気力と体力の指標にはならなくなりました。特にご自身で一つの事業を確立され成功体験を積まれている70代の方々はまだまだ意気軒昂。
頭では、後進に道を譲る大切さはわかっていても、逆に気持ちは事業に残っている。

それが親族経営の場合、経営者=父と後継者=子息に横たわる親子間の葛藤も織り込まれいるケースにもまま遭遇します。
事業を譲り渡す側から見れば、
自分の仕事はまだ完了していないという感情があり、
代表権の譲渡や、資産の譲渡、日々の仕事のバトンタッチは容易にできても、最後に残る未処理な感情の処理をどうするかが残っている。

これは目には見えないけれどとても大切な部分です。

その、未処理な感情に終止符を打ち、次に向かう節目をきちんと作ること。それが事業承継を完了させるために後継者ができる最後の仕事です。

それが、元社長の業績を見える化し、称える場を作り、気持ちを切り替えて頂くために作るのが「男の花道」です。

あえて昭和感漂う「男の花道」という表現を使わせて頂きました。昭和という時代は、「ない」という欠乏感を前提に
奪い合うことで、拡大を目指すことが「善」と信じられ、ステレオタイプな「男性性」優位な価値観に重きが置かれていた時代でした。

いい悪いではなく、そのことでもたらされた恩恵の中で私たちの生活はあり、今があります。そこに労いや感謝をオフシャルに伝えることを疎かにしては、上手くいくものも上手くいないのです。

※ 地元氏神様の手水舎のお花

気持ちというものは、実は人の思考の大本にあるエネルギー。ここがどちらを向いているかは目に見えない。
でも現実に起こる出来事を冷静に俯瞰すれば、必ず現実の出来事に反映されている。
会長になった元社長との関係が上手くいかなければ、それは必ず、社内の何かに影を落とす。
結果としての出来事を何とかするために、走り回るのではなく、原因に目を向け、統合してゆくこと。
そのために必要なものは何か?
過去と他者は変えられない。
であれば、ご自身が変えるべきはなんなのか、夏休みも近づいてまいりました。
仕事から少し距離をおき、きちんと向き合うよきタイミングなのかもしれません。


大好きな京丹後へ行ってまいりました。

京都中部~北部が大好きで、この週末は、京丹後へ伺いました。
京丹後までは京都縦貫が全線貫通し、本当に便利になりました。
8月初日の日曜日でしたので、本当なら高速も国道も渋滞し、ぐったりするところですが、行きも帰りも道は一度も滞ることなく 快適な旅、でした。
この快適の陰で、苦渋の思いをなさっている方々の課題を解決すること。
ビジネスの本当の目的はそこなのです。


最後までお読みいただきありがとうございました。
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この夏は、自分に対し少し大きめの「夏休みの課題」を課しました。
これまで、月初に募集しておりました、ビジネスモデル 120分無料検討会はお休みとさせて頂きます。

縁あってお出合いする企業の方々一社一社と誠実なお付き合いをさせて頂くためでございます。ご理解いただけましたら幸いです。

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