やっぱり、そうじ

かって、企業価値を高めるレポート、というものを作成させて頂いたことがあります。そのレポートの完成報告を生産性向上を支援なさっている先生にした時、「あの汚い工場のどこに知恵があるんだ!」とお叱りを受けました。
普段は、おだやかな先生でしたので相当お怒りだったのだと思います。
それは、私の持っていた町工場は油まみれで「汚く」「大変」という固定概念が崩された瞬間、でした。

当時の固定概念は、
日本の地方地域のものづくり中小・小規模企業は元請けの大企業や中間商社から「下請け」として、イジメられている、だからきれいにする余裕なんてない、でした。

事実、そのお会社は誰もが知っている巨大企業の旗艦的な「乗り物」に必要な小さな、だけど特別なある「パーツ」を作られていました。その受注にまつわる駆け引きのあれこれや、過剰ともいえる要求技術に応えるため現場に相当なご無理を強いていらしゃっていました。

・だけど、本当に工場内に人の導線を確保してまっすぐな通路を決めることが出来なかったのか?
・工程間の「移動のムダ」を省くため設備の配置換えは本当に無理だったのだったのか?
・機械と床の間に詰め込まれたままの「端材」はいつから詰め込まれていたのか?
・うっすらと機械に積もっていた「埃」は誰が雑巾がけするのか?それとも「埃」が見えなくなっていたのか?

担当を割り振られることのない、こうした小さな「仕事」と「掃除」が行き届いていないことに、誰もが「気付かない」状態を「是」とした上でお聞きする社長の「戦略」は、もろいものでした。

トイレ掃除で有名な、鍵山秀三郎氏は、掃除について以下のようにおっしゃっています。
余裕がないからこそ私はこの掃除をおろそかにせずに行いました。余裕のない時であっても、その中からわずかな時間を割いて掃除に取り組むのです。
すると不思議なことに余裕がない中にも、少しづつ、少しづつ、余裕が与えられるようになるのです。
引用そうじ資本主義著大森信版日経BP社

今日から3月
おかげさまで京都は緊急事態宣言が解除になりました。
自由度が少し増した世界で晴れやかに過ごすため、特別なことをしなくてもいい、ただあなたの身の回りを少しだけ掃除で整えてみる。
できれば、明日も少しだけ。その継続と徹底が、あなたをおもってもみない場所へ連れてゆきます。

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