京丹後で出会った源流を守る人たち。地域企業は日本を支える屋台骨

観光・京都ではない京都の底力

京都の「郡部」とよばれる地域へ出向くのが大好きです。そこは自然の豊かさとそれを享受し、活かしてきた先人の知恵に溢れているからです。

山水を一番最初に頂ける田んぼだからこそ

先日、思いがけずお伺いした、京丹後市久美浜町の農園。源流の郷 福田農園さん。

帰宅後地図で確認するともうほとんど、兵庫県豊岡市でした。京都府中部~北部に伺うと移動距離が半端ないのです。

京丹後富士とよばれる高竜山の梺の棚田でのお米作り。福田さんの田んぼと畑は山脈を流れる清流が造る河岸段丘の最上段に位置しています。高竜山の山頂の水源から溢れる豊かな山水を一番最初に頂ける位置。

下流域への影響も考えて、福田さんはご自身で管理されている田畑ではすべて無農薬栽培。棚田の最上段で農薬や化学肥料を肥料を使ってしまうと、その影響は当然下流域にも及ぶ。

先日お伺いした、同じく京都北部で有機農法に拘った農産物を作っていらっしゃる方もおっしゃっいたこと。「棚田の上段で農薬使われるといくら自分の田んぼで無農薬にこだわっても、台無しになる。出荷先に胸を張って無農薬ですって言えなくなる」

源流のお水、超冷たい。スイカも十分冷えます。

農薬を使わない米作り、言葉で言うのは簡単ですが、少しでも管理を怠れば畔は草まみれになって周囲の田んぼへの迷惑になります。畦を綺麗に保つためこの酷暑の中どれだけ、毎日田んぼへ通い、世話をされているか、と想像するだけで頭が下がります。

害獣とも共生できる試みを

草だけではなく、猿・鹿・猪・熊・ハクビシンなどのいわゆる害獣動物の侵入にも最新の注意を払わないといけません。普通の柵だけでは壊して簡単に乗り越えてしまうので、電気柵と更に動物が嫌がる、超音波と音をだす装置も設置されていました。

こちらの電柱に取り付けたスピーカーから音と音波を発信

設置から数カ月、棚田沿いの山道一面にあった鹿の糞が殆どなくなり、夜間に聞こえる鹿の鳴き声を殆ど聴かなくなったそうです。こちらの仕組はまだまだ試行錯誤中の仕組みですが、効果のほどは期待できそう。

 京都市内の高級料亭がお買い上げ

棚田で創る福田さんの、お米。収穫後は竿掛けといって昔ながらに田んぼに棚を組んで、天日でしっかり乾かしてから脱穀し出荷。機械干しが一般的になった今、本当に手間のかかる作業。

この地域も高齢化が進み、「もう(お米を)つくれないので、田んぼの面倒を見てくれ」とひとり、またひとりと福田さんのところに依頼があるそうです。田んぼは一回耕作を辞めてしまうと、次に田んぼに戻すのに相当な手入れが必要となります。また耕作放棄地が広がるとそれだけで、山の動物を呼び寄せ、獣害を広げてしまいます。

福田さんの尽力で、無農薬栽培の耕作地が広がっています。

そして、福田さんが育てられているこのお米やその他の農作物、実は誰もが名を知る京都市内の某高級料亭さんがお買い上げになっています。

源流の里で自然を守る社会的意義があるだけではなく、価値を理解し、適正価格で購入して下さる顧客がいるだから続けられる。

自然の循環を守り、地域の個性を活かすには、ビジネスとの共創・共生関係があってこそ成り立つ良い事例でした。

 

 

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