退職と独立のお祝いにと、昨年春こちらのスカーフを頂きました。
ののはな草木染アカデミーの主宰者の一人、デザイナー松本陽菜さんのブランド
fromGARDENの作品です。
ふんわりと薄く、儚く、なんとも夢のような肌触り、
グラーデションで色が変容し、どのお洋服にも合わせやすく、おしゃれとして重宝する、
素敵なスカーフで、頂戴したシーズンから愉しみました。
その夏に両親と東京で伯母を看取りました。
昭和30年代に離婚し、単身東京にでた伯母は、晩年13人兄弟の末弟だった父を頼りに、
関東の有料老人ホームに終の棲家を移していました。
私たち親子は看取りのためではなく、見舞いを兼ねた東京旅行のつもりでした。
臨終を告げられた、その瞬間から、葬儀を終える一切までを伯母は生前に取り決めをして
おり、私たち親子は、病院の方々から葬儀会社の方、お寺の方に支えられ、
慣れない東京で迷うことなく、ただ伯母を葬ることだけに専念できました。
それでも、炎天下、自分だけではなく80代の両親の身の回りケア、追加の宿泊手配から
病院~施設とのやり取りなど、私が動かないといけないことは沢山ありました。
一泊の予定を二泊にし、伯母の葬儀を、京都から駆け付けた僅かの親族で執り行い、
両親と妹とで京都に戻ったのは夜の9時を過ぎており、
在来線で帰るという両親とタクシーに乗り込み自宅まで戻ったのは
10時を回っていました。
頂いたスカーフは
この東京滞在中、ずっと私と共にあり、私を助けてくれました。
炎天下の移動中は太陽を遮り、冷房で冷え切った地下鉄や新幹線内で拡げると、
薄いのに上半身全体が包まれほこっりと暖かく、肌触りが柔らかく本当に落ち着きました。
淡い色合いが東京で新たに買い足したワンピースにもよく合い、社寺関係者の方特養の方、
葬儀会社の方など、どなたに会う時にも、スカーフに支えられ要件を済ませることが
できました。
これまでただただ助けてもらってきただけの両親を、ただただ助けるだけのありがたい旅を
fromGARDENのスカーフとともに終えることができました。
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