美人でも、お金持ちでもないのに、ロスチャイルド家に嫁いだ女性

少し古い書籍に、著:伊藤緋沙子「ロスチャイルド家の上流マナーブック」という本があります。20年以上前の本ですが、今は廃刊になりましたが、今も高値で取引されており、メルカリもAmazonでも6,000円~と高額で取引されています。

発売当時本屋さんで平積みされていたことをよく覚えていますが、「上流社会のマナーなんて関係ない」と手に取ることもしませんでした。

ところが、先日、脳科学者の中野信子さんの著書「科学がつきとめた 運のいい人」という本に、私には関係ないと思っていた、ロスチャイルド家のマナーブックの著者、ナディーヌ・ロスチャイルドのエピソードが紹介されていました。中野信子さんによれば、ナデーヌ・ロスチャイルドは、貧しい家庭に生れ中学生卒業と同時に家を飛び出し、印刷工や町工場で働き、小劇場の女優となります。

ここからは、私の推測です。

家を飛び出すまで、おそらく誰も彼女にマナーを教えた人はいないと思います。
働きながら、女優をしながら彼女がしたのは、現状を受け入れつつも、上流と呼ばれる方々の振る舞いを「観察」し「その本質」を見極めたのだろうと思います。
貧しい暮らしをしていれば、靴下が破れていようが、夕食にデザートが無かろうが、少しでも節約する方が大事、となりがちですが、彼女はその罠に陥りませんでした。

ナデーヌ・ロスチャイルドは言います。「あなたがまず心を配るべきなのは、自分自身です。」人は大切にされたものからしか、大切にされません。自分と言う一番身近な存在を大切にするからこそ、他者にも同様の心配りができるようになり、ナデーヌがナディーヌを大切にするというエネルギーが廻り廻って他者から大切にされる。そんな目に見えない循環を大きく育んだのだと思います。

自分という存在を、「人が見ていないからいいや」、と穴の開いた靴下で過ごしたり、「一人で食べる夕食だから」と手抜きをするようにぞんざいに扱わない。一人でお茶を飲む時でさえ、一番いいカップを使う。そんな徹底ぶりでした。
もし、彼女が外に出るとき、上辺だけ“上流ふう“にふるまっていたとしたら、ロスチャイルド男爵と出会ったとしても、何のご縁も生まれなかったでしょう。
小劇場の女優が自分を大切にすると言ってもロスチャイルド家とはかけるコストの次元は違ったと思います。ただ彼女が間違わなかったのは、小劇場の女優でしかないからと自分を卑下することなく、自分を大切に扱うということの本質でした。

マナーの本質は思いやり

マナーの本質は、堅苦しいお作法や振る舞いのノウハウではなく、人が互いに気持ちよく過ごすための思いやりを形にしたもの。ナディーヌの振る舞いの本質は、自分への思いやりであり、他者への思いやりでした。そこに通じ合うものがあったからこそ、ロスチャイルド男爵とのご縁が生れ、当家に嫁ぐことができたのではないでしょうか?
自分を大切にすることは、他者を大切にすること。

この言葉の深い意味を、今日の行動に落とし込んでいこうと思います。

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