学習しないひと

補助金ないですか?と問い合わせてくる人

創業融資が足りないからという理由で「補助金ないですか」というお問い合わせ頂きました。「100万でも50万でもいいんです」「○○名で~事業を始めるにあたり運転資金も含め3,000万円初期投資が必要なんですが、金融機関からは1000万しか借りれないので…。」というお話でした。金融コンサルもという方が創業計画を創られたそうです。その計画で公庫からお借入れできるのは1000万円。お電話をくださったのは○○士さんです。その金融コンサルさん金融機関ご出身という事で、いわゆる金融のプロと言っていい方が2名もついていらっしゃる状態でした。それで、このお問い合わせ!そもそも、おかしくないですか?

創業は、コロナ禍のように予期せず急にやってきた災難ではなく、自分で考え決めてやるもの。公庫(政策金融公庫)の創業融資の条件に自己資金要件って撤廃されていますが、もともとは、自己資金要件三分の一というものがありました。

創業資金とは、創業にあたり揃える設備+運転資金(3ヶ月相当)のこと。自己資金要件とは、創業資金の三分の一を自分で貯めたお金、もしくは自分で調達したお金をすでに用意している状態であること。お金を貸すというのは、その人が返す実力があるという信用が前提になっています。既存の借り入れがある人に対して、ある一定枠までの借り入れがスムーズなのは、この人は返してきた人という実績があるからなんです。

創業の方には、返済してきたよという実績がない。創業計画の良しあしなんて、実はまだ始まっていない事業に対してはどんな人も 「判断不能」なんです。じゃぁ何を判断根拠にするのかっていうと、創業計画を立てて、自己資金を溜める実力があるかどうか。お勤めの方が創業を考えお給料や副業からコツコツお金を貯める。その実績に対する信用に対して「融資」が可能になるんです。

今、自己資金要件は一応撤廃されている。だから公庫の方もおもてだって自己資金がないので無理ですとは断れないし言えない。ワタシ単刀直入に公庫の方に聞いたことあります。やっぱり「自己資金は審査の判断に大きく影響します。」とおっしゃっていました。だって創業は急に決めることではない。全部自分でコントロールできることなので、無理な条件ではないのです。

そもそも3000万もの資金が必要な創業に対して、融資が1000万しか斡旋できないといわれ、そこに50万でも100万でもいいので補助金ないですか?っていう問い合わせの段階で、その創業ムリゲー確定。ということに気付いてほしい。

お仕事の基本は、お客様の要望に応えることなのだけど、無理を通せば道理が引っ込むようなことプロはしてはいけないんです。

融資あっせんばっかりやっていたころ、大きな金額を必要とする女性の融資あっせんにお付き合いしたことがあります。「この人たち、お金を借りることで不幸になってほしくない。」そこが私は怖かった。ご本人に3年分の資金繰り作って頂きました。それもかなり厳しめの数字で。その結果自己資金の10倍の額のあっせんを可能にした人もいます。

事業が数値化がしやすく数字の見積もりがとりやすかった業態では、逆に詰めが甘かったことがありました。また自己資金とおっしゃっていたお金が、実は自分で用意したお金ではなかった人、そんな方は、早々に市場から撤退しました。そこまでを関わったの責任と思う必要はないのですが、出来れば関わる人を循環するお金は幸せな色に染まって世界を循環して欲しい。そう願っています。

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