トノ の不思議な力 

こんにちは 山本容子です。今日も蒸し暑く湿度の高い日ですが、心晴れやかに進んでいきましょう。

先週末、大阪は平野区の東洋バレル技研さまにお伺いしてまいりました。こちらの社長様は別所長政さま。別所のという苗字でなにかピンと来られた方は、歴史好きなかでも戦国時代フェチさんでしょうか? あの戦国武将別所長治のご子孫です。愛称は「トノ」(笑)です。

トノのお会社は十数年前、代位弁済という状態に陥られました。代位弁済とは、保証協会という「機関」がその会社に変わって(代位して)金融機関に弁済(お支払いをする)制度です。今は見事としか言えないぐらい復活されています。

代位弁済とは

その昔、商工会職員時代、融資案件を扱っている時代、融資のご依頼があればまず保証協会に電話して、「井手町の○○組○○△さんの保証枠どれくらい空いていますか?」と問い合わせしていました。いまなら、あり得ない事態です。でも今をさること○○年前、商工会職員も保証協会職員も職務としての情報交換。当然第三者に話すことはあり得ないという暗黙の信頼が成立していました。
「あ”○○組の○○△さんなら だいべんです」と告げられ電話口で「大便???」と固まっていたのも遠い思い出。さすがにさも知ってて当然という雰囲気で告げられた言葉をこちらから聞き直すこともできず、電話を切ってその足で、地元の地銀へ飛んでいき、だいべん=代位弁済の意味を教えて頂きました。そうやって、ひとつひとつ現場で人に教えて頂きながら、経営相談を承ってきました。代位弁済がどれほど大変か、どんな想像も足りないぐらい大変事態だったのだと思います。

一番になれる場所を決め、一番になる。

そこからトノは、多くの外部支援専門家の協力を仰ぎながら、数字と向き合いまっすぐに事業の立て直しに励まれます。事業を受け継いだ時からの債務とリーマンショックの際の債務、どちらもトノの直接の責任ではないと言えばないのですが、まっすぐ引き受け毎日の数字を記録されることからスタートされたそうです。

窮地に陥った時、多くの企業が、より大きな売上、粗利を求め、現在の技術をバージョンアップする新技術を追いかけようとします。売先を増やそうと新規開拓に励みます。

けれど、トノはその道を選びませんでした。①奥様と家族を大切にされました。②バレル研磨(=バレルと言われる樽の中で部品を磨くこと)この一連の作業標準マニュアルを徹底して整備する。③わからないことは外部支援専門家の指導を仰ぎすなおに実行する。④従業員さんを大切にする。⑤顧客の商圏=距離と地域を決める、どんなにお仕事があっても遠すぎては不具合が生じたときにタイムリーに対応できない。

つまり、顧客とサービスと商圏を決め、その決めた場所で一番になれるコンセプトをつかむことに注力されたのです。新しいことや新しい技術を追い求めたのではありません。

不安から新しいことを求めず、あるものを大切にする。

私たちは、上手くいかないとき、現在のスペックのせいにしようとします。製造業であれば、あの設備がないから、あの技術がないから、サービス業でもは、あの資格がないから、あのスキルがないからと、今ないもののせいにして新しいことを求めがち。でもそれはキリのない沼に陥るようなもの。勝つ要素はすでにみなさんの中にある。それをどう磨くか、顧客との関係をどのように創るのか、そしてそして、顧客にとって自分は「何者」なのかをはっきり決めること。それはもちろん机上で決めてできることではなく、小さく打ち出し、小さく失敗し、さらに考え、振り返り=ここ大事、そのうえで実践し続ける。

トノの事例、それは、共に学んでいる佐藤元相先生率いる㈱NNAで開催されている「あきない実践講座」で学ぶランチェスター戦略そのものなのでした。

 

 

 

 

 

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