キャンバスはストーリーで組み立てる!

ストーリーとして成り立たなければビジネスモデルではない。

ビジネスモデルキャンバスに初めて出会ったのは、2012年。そのころは商工会連合会というとことに、お勤めしている時期でした。日々送られてくる商工会さんからの「報告書」や「経営革新計画」にわさわさ目を通して、チェックし、ダメだしをだすお役目。最初は張り切ってやっていたこの業務、だんだん現実的には「生き物である経営」を正しく表現している?、これって論理的には筋は通っているけれど、「絵に描いた餅」にはならないのでは?とそう感じていた時期。

西大路駅前の恵文社西大路駅前支店という小さな本屋さんの企画コーナーにヒラ積みで置いてあったのは、これ!

中々に、当時の私にはお高いと感じてしまう価格の書籍で、「買う???」「買わない???」の逡巡を2日ぐらいしました。でも残業マックスで駅まで来た2日目の夜9時過ぎに「ヨシ」と気合を入れて購入。そのまま胸に抱えて奈良線に乗り込みました。表紙や、書籍の構成、本文のデザインにこれまでの「経営書」にないワクワクする鼓動を感じ、胸にあてると書籍から、その鼓動が伝わってくる!そんな嬉しさマックスな気分でした。

そこで出会ったのは 優れたビジネスモデルキャンバスの説明はストーリーとして語れなければ成り立たない、という当たり前の原則でした。

みよう見まねでキャンバスを創る日々

その日から、本をパラパラ眺めてみたり、最初から一文一句読もうとしてみたり、線を引いたり、なぞったり、ネットでキャンバスを見つけてダウンロードしてワクワクしたりの日々が始まりました。デザイン思考という考え方があるということも同じころに知り、慶応大学藤沢キャンパスで行われている、デザイン思想和ワークショップ2日間12万円なるものを見つけて仰天したり、行きたいと思いを募らせたりと、業務からの「現実逃避」、もとい、現実に即した「生きた経営」に沿って未来を創ってゆく学問へのあこがれを募らせていました。

自分でもぺたぺたと貼ってみては、あれこれ考えを巡らせているところへ、遠く関西大学前の小さなスペースでキャンバスのワークショップがあると知って、申込み、そこで現在の私の想いの原点を掘りあてることができました。それが、「100年続く仕事」というコンセプト。そこからコツコツみようみまでキャンバスに付箋をぺたぺたと貼ってみる日々が始まりました。

靴の底から足を掻いても、もどかしいだけですが、当時の仕事は当事者の想いに沿えず、支援者の想いにも沿えず、とほうにくれることの繰り返し。そんならいっそ私自身がキャンバスを創る人、描く人になってしまえばいい、超短絡的ですが、ただそれだけを思って組織を離れました。

 誰に聞かせても、~なるほど!そういう仕組だったのかと言われるためにすべきこと。

それは、よくよく距離を置いて完成したキャンバスを俯瞰すること。そして顧客を具体的な誰かと特定し、その誰かの具体的な「悦び」を創造すること。ここに一貫性があれば、ストーリーとして成り立ちます。決して難しいことではなく、立てた仮説が物語のストーリーのように流れるかどうか。まずそれを目指し、キャンバスにビジネスの要素を貼ってみる。その繰り返しが量稽古となって、優れたビジネスを見分ける力、ビジネスの要素の中の停滞分部を見つける力を身につけることができるのです。

 

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