本日PEC協会 第23回改善実践リーダー集会にて
元女子プロゴルフ協会会長、樋口久子氏のお話しをお聞きしてきました。
樋口氏は、ゴルフがまだまだ大衆化していない時代。
男性にさえ一般化してなかった、1967年に女子プロ第1期生。
その後1978年初めての全米優勝を経て圧倒的な実力と存在感を保ちながら。
女子プロ協会の会長に就任されたのは1997年。
本日のお話しによれば、本当にどん底で上がるしかない時代だった・・・との事。
そのころもまだまだゴルフは男性社会のスポーツ。
彼女のような圧倒的な実力を持った選手はまだまだ一部、
女子のすそ野は育っていなかった時代だったようです。
女子プロの世界が成立する為には当然トーナメントの開催が必須ですが、
それはスポンサードしてくださる「企業」あってのもの。
では、その企業の費用対効果をあげるために何をするか。
そこで、彼女のとった施策は、
目先のTV視聴率をあげ、ギャラリー動員をあげるスター選手を育てる・・・ではなく、
2種類の人財教育でした。
1つ目は、選手を徹底したプロに育てる事。
単に試合に強くなる、プレーが上達するではなく、
彼女たちの直接の顧客である、スポンサー企業に対しどのように振る舞うべきか。
名刺の渡し方、食事のマナー、税金について トーナメントの仕組み、等々。
プロとして顧客満足を得るための基礎教育でした。
2つ目は女子ゴルフのすそ野を育てる、ジュニア教育。彼女自身4000人の指導に当たったと
言います。その頃育てた人材が今、トーナメントで優勝するような選手に育ってきているそうです。
彼女の採った方針は、危機にあって対処療法として直ぐに効果はでなくても、
数年かけて確実に芽が出、すそ野を広げるものばかり。
現在女子プロトーナメント回数は37回、総額33億円。実は男子ゴルフの27回を大きく上回っています。
(講演時のメモを基にしています)
樋口氏が10年以上かけて培ってきたこれらの成果は、多少の雨風にはびくともしない
大きな「柱」に成長しています。
対談のお相手を務められた、日経新聞の編集委員の方が、
優れたビジネスのお話しをきいているようですと感想をおしゃっていましたが、
本当に、本日のお話しは資金力の小さな、中小、小規模企業者にとっても
極めて参考にんる優秀な経営戦略のお話としてお聞きして参りました。